「これって本当?」:SNSの情報を正しく見極める責任と心構え
1. はじめに:SNSの「情報」が持つ大きな力
皆さんが毎日使っているSNSは、友だちと楽しく交流したり、新しい情報に触れたりできる、とても便利なツールです。しかし、SNSには良い情報ばかりではなく、中には間違った情報や、人を傷つけるような情報が流れてくることもあります。
このような情報に惑わされたり、知らず知らずのうちに広めてしまったりしないためには、私たち一人ひとりが「この情報、本当に正しいのかな?」と考える力を持つことが大切です。今回は、SNSの情報を正しく見極める方法と、情報を扱う上での責任について一緒に考えていきましょう。
2. なぜ情報の見極めが大切なのか:誤情報が引き起こす問題
SNSでは、一度情報が投稿されると、あっという間にたくさんの人に広がります。これは、良い情報が広まる際にはとても素晴らしいことですが、もしそれが間違った情報(フェイクニュース)だったらどうなるでしょうか。
誤情報とは何か
誤情報(フェイクニュース)とは、事実に基づかない、あるいは意図的に作られた嘘の情報や、誤解を招くような情報のことを指します。
誤情報が引き起こす影響
誤情報が広まることで、次のような問題が起こる可能性があります。
- 不安や混乱の広がり: 事実と違う情報が広まることで、多くの人が不安になったり、社会全体が混乱したりすることがあります。
- 人間関係の悪化: 友達や知人が誤情報を信じてしまったり、誤った意見を主張したりすることで、関係が悪化することがあります。
- トラブルへの巻き込まれ: 誤った情報に基づいて行動してしまい、詐欺や危険な状況に巻き込まれる可能性もあります。
- 誰かを傷つける可能性: 誤情報が、特定の個人や団体を誹謗中傷する目的で利用され、相手を深く傷つけることがあります。
このように、たった一つの誤情報でも、社会や個人に大きな影響を与える可能性があるため、情報を鵜呑みにせず、慎重に判断することがとても重要です。
3. 情報を見極めるための3つのステップ
では、具体的にどのように情報を判断すればよいのでしょうか。ここでは、SNSの情報を見極めるための基本的なステップを3つ紹介します。
ステップ1:情報の「発信元」を確認する
まず、その情報が誰によって発信されているのかを確認しましょう。
- 信頼できる情報源か: その情報は、テレビや新聞、公的機関(政府の省庁や地方自治体など)、信頼できるニュースサイトなど、私たちが普段から「正しい情報を伝えている」と感じる場所から発信されていますか。
- 匿名の情報ではないか: 発信者が誰だかわからない情報や、信頼性の低いアカウントからの情報には特に注意が必要です。誰が言っているのか不明な情報は、安易に信じないようにしましょう。
- 専門家や関係者の情報か: 特定の分野に関する情報であれば、その分野の専門家や、直接そのことに関わっている人からの情報がより信頼できます。
ステップ2:情報の「内容」を冷静に評価する
次に、情報の具体的な内容をよく見て、感情的にならずに評価することが大切です。
- 感情に訴えかける表現はないか: 「信じられない!」「衝撃の事実!」といった、人の感情を強く揺さぶるような言葉が多く使われている場合、一度立ち止まって冷静になりましょう。
- 極端な表現や断定的な内容ではないか: 「絶対に正しい」「〜に違いない」といった、極端に断定的な表現が多い情報も注意が必要です。物事には様々な側面があることが多いものです。
- 写真や動画は加工されていないか: 写真や動画は、簡単に加工されたり、文脈を無視して使われたりすることがあります。見た目のインパクトだけで判断せず、内容を疑う姿勢も持ちましょう。
ステップ3:他の情報源と「比較・確認」する
最後に、その情報が本当に正しいのかどうかを、他の情報源と比べて確認する「ファクトチェック」を行いましょう。
- 複数の情報源で確認する: 同じ内容について、複数の異なる信頼できるニュースサイトや公的機関のウェブサイトなどで調べてみましょう。もし、その情報が他の場所では一切報じられていない場合、誤情報の可能性が高まります。
- 検索エンジンを活用する: キーワードを使って検索エンジンで調べてみましょう。その情報が既に「誤情報である」と指摘されていないか、関連する信頼性の高い情報がないかを確認できます。
これらのステップを踏むことで、情報の真偽を判断する力を養うことができます。
4. 情報を拡散する責任:あなたの行動が社会を作る
SNSにおける「言葉の自由」は、私たちが自分の意見を表現したり、情報を共有したりする大切な権利です。しかし、この自由には「責任」が伴います。何を投稿しても、何をシェアしても良いというわけではありません。
「シェア」や「リツイート」も「発信」である
友達の投稿を「シェア」したり「リツイート」したりする行為も、その情報を「広める」という発信行動の一つです。あなたがシェアした情報が誤っていた場合、それはあなたが誤情報を広めたことになり、その責任を負うことになります。
- 広める前に「確認」する: 「これは正しい情報だろうか?」と、先ほど紹介した3つのステップで確認する習慣をつけましょう。
- 疑わしい情報は広めない: 少しでも疑わしいと感じる情報や、確認できない情報は、絶対に広めないようにしましょう。
- もし間違って広めてしまったら: もし、自分が誤情報を広めてしまったことに気づいたら、すぐにその投稿を削除し、必要であれば訂正や謝罪の言葉を伝えることが大切です。正直に行動することで、さらなる混乱を防ぐことができます。
5. 困った時の相談先
「この情報、本当に信じていいのか不安」「誰かの悪口のような情報が流れてきたけれど、どうしたらいいか分からない」など、SNS利用で困ったことや不安なことがあったら、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談してください。
- 学校の先生やスクールカウンセラー
- 保護者の方
- 警察庁の相談窓口(#9110)
- 青少年向けインターネット相談窓口
など、皆さんの安全をサポートするための相談先がたくさんあります。
6. おわりに:賢いデジタル市民になろう
SNSは私たちの生活を豊かにしてくれる素晴らしいツールです。しかし、その力を最大限に活用するためには、私たち一人ひとりが情報の見極め方を学び、責任ある行動を心がけることが不可欠です。
今日学んだことを活かして、SNSに流れる情報に対して「これは本当かな?」と常に疑問を持つ習慣をつけましょう。そして、確認できない情報や、誰かを傷つける可能性のある情報は広めないという強い意志を持つことが、皆さんが「賢いデジタル市民」としてSNSを安全に、そして有意義に利用するための第一歩となります。